ギャラリー広田美術では、11月2日(木)~11月11日(土)まで「ナカムラ徹展 枕詞」を開催致します。
今年1月より12月まで、週1回さまざまな新聞(地方紙など多数の新聞に掲載されています)のコラム欄に掲載されている枕詞のシリーズ作品より、70点から80点の作品を掛けられるだけ展示しようと考えています。
小品ですがナカムラさんらしい、存在感のある良い作品ばかりです。
ナカムラ徹、作品コメント
「枕詞・万葉集の中でも約510種あまりの枕詞があるとされているが、現在その当時の意味(語源)を解されないでいる。しかし枕詞は、その言葉の響きが先ず私達の感覚に訴えてくるし、音韻の美しさは時として意味内容以上のものを想起させる。何故なら歌の本質は、鎮魂・魂振りとしての呪歌であり、それが天地霊を顕す自然の景象に向かって叙景となり、人間に対する愛情の上に相聞となるからである。古代、枕詞(五文字)の唯一の表記法である漢字の字源にあたり、その再構成を絵画空間で行ったのが、枕詞の作品群である。枕詞の持つ情念を、それを表記する漢字自体に求め、『全ては回帰する』ものとして捉え、漢字を神話の回帰の様式として探ったものである。」
〔神話の思考は一の問題について一の答えを出すだけでは満足することが出来ない。出された回答は直に一連の変容作用に組み込まれ、其処から可能な回答の全てが一度あるいは連続的に派生する。複雑な概念が様々に組み合わされて、個々の価値と機能が入れ替ったり、対立したり、反転したりして、それが結合関係の可能性が減損するか枯渇するまで続く。〕C・レヴィ=ストロース「はるかなる視線2」三保元訳・みすず書房 1988・P256
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