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ギャラリー広田美術では2019125()から29()まで、阿部ふみ展 -顔と点- を開催いたします。

今回は新作を約15点展示予定です。ぜひご紹介くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

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阿部が近年描き続けている「顔」は精神的自画像である。

その画面に意識的に点を置き始めたのは2012年頃。当時顔中に吹き出物が広がり鏡を見るたびに落ち込んでいたといい、その状況を絵に置き換えることで昇華出来ないかと考えたのがきっかけで、画面に点を置いていくことによって救われる気がしたという。そして現在では少しずつ意味合いを変え、それは阿部自身の不安な気持ちの一粒一粒を表すようになり、それらを画面に置く行為によって前進することが出来るという気持ちに通じている。また顔の中でも特に眼に執着があり、長い時間をかけて描くものになっている。それは阿部が眼には全ての感情が集まる場所だと感じているからで、喜怒哀楽、痛みや苦しみ、不安や恐怖などを昇華させるため、強い思い入れと集中力を持って描いている。このように身体とこころで感じ考えていることに向き合い、その感情や感覚を画面に置いていく行為としての作品は、鑑賞者と少しでも共感することが出来たときに阿部だけのものではなくなり、普遍的な作品として広がり始めてくれると信じて制作に挑んでいる。

掲載作品:「 点と眼 」 10F キャンバス、油彩 2018