ギャラリー広田美術では2024年11月1日(金)~11月16日(土)まで約5年ぶりとなる狩野宏明の個展を開催致します。
狩野宏明は筑波大学で博士号を取得後、文化庁の海外研修でフィレンツェに2年間滞在、現在は制作をしながら東北芸術工科大学の准教授として活躍している大変優秀な作家です。
2022年に地元である山形に拠点を移した狩野は、近年は東北地方の神社仏閣や教会、明治・大正時代の洋館を巡りながら俯瞰的に見て感じた「文化の混淆」をキーワードに制作をしてきました。
本展では自然と人間との密接な結びつきからあらゆる物事が繋がった「存在の連鎖」、また科学技術時代の霊性を「現代社会におけるスピリチュアリティ」とし、このふたつのテーマを取り入れた新作を発表いたします。
先進的な技術の進歩を遂げる世の中で霊性なものへの信仰心を持ち続ける人間の心に興味を持ち制作した狩野の作品には、時代や場所を越えてあり続ける世界の不思議を捉えようとしているように感じられます。
新作の中には因果関係のない2つの事例が類似性、近接性を持ち同時発生する(シンクロニシティ)という不可思議な現象に興味を持ったことで制作した作品や遠く不確かなものに対する人間の行動を様々な時代や場所から切り取り構成した作品など、狩野の世界観を大いに感じられるとても興味深い展覧会となりました。
副題にある「スパイラル・ダンス」は⼤勢の魔⼥が⼿を繋いで螺旋状に踊るダンスのこと。
世界を螺旋状の循環として捉える世界観と、相反するもの同士を相互補完的に結び付け常に変化し続ける存在のうねりやエネルギーの象徴として描き出しています。
象徴的造形を求め多角形の支持体に制作した作品群はまるで様々な形の窓をのぞき込み魔女たちのスパイラル・ダンスを垣間見るような奇妙なヴィジョンです。
多角形の形にも意味を持たせた複雑な構成を経た新作ですので、ぜひおたのしみいただけますと幸いです。
油彩を中心に約10点の新作を展示いたしますので、ぜひご高覧くださいますようお願い申し上げます。
「狩野宏明展 - 窓越しのスパイラル・ダンス -」
会期|2024年11月1日~11月16日(土)
時間|11:00-19:00(土のみ18時迄)
休廊|日月祝
会場|ギャラリー広田美術