10×7.5㎝、レゾネ、全作品集掲載 売約済み
1977年
38歳という若さで逝去した有元利夫は、ピエロ・デラ・フランチェスカ、フラ・アンジェリコ、サンドロ・ボッティチェリなどイタリアのフレスコ画を敬愛し、約10年間という短い作家人生の中で、油絵、版画、彫刻、やきもの、そのほか額縁や作曲など多岐にわたる制作をします。
1977年に日本画と油画の6人展をみゆき画廊で開き、その際に「カードゲーム」などの小品4点を展示しました。タブローでのカードをモチーフとした作品は1976年から1979年までに8点制作しており、その1枚が今回の作品です。バロック音楽をこよなく愛した有元は「音楽が漂っているような」画面をつくることをめざしていました。詩的な静寂に包まれたこの作品では、人物の上から数枚のカードが降り注ぐように描かれ、画面の中で音楽とともに揺れ動いているように感じます。
1946年 | 岡山生まれ |
1973年 | 東京藝術大学美術学部デザイン科卒業 |
1975年 | みゆき画廊で初個展 |
1978年 | 「花降る日」安井賞特別賞受賞 |
1985年 | 逝去(享年38歳) |