27×24㎝(色紙) 売約済み
京都の西陣織の図案家の子として1927年に生まれた加山は、現在の東京藝術大学である東京美術学校を卒業後、山本丘人に師事、革新的な日本画を描こうと意欲的に活動した作家です。
戦後の創造美術(現・創画会)で西洋画に影響をうけた動物画を発表して注目を浴び、その後も屏風絵や裸婦絵、水墨画など次々に展開し、昭和の日本画壇に常に新たな風を起こしました。そして絵画だけにとどまらず着物の図案や陶器への絵付け、ジュエリーなどその制作活動は多岐にわたり、本来の日本の美である装飾性を現代的に表現しようと挑み続けました。
1978年以降水墨画の大作を精力的に描き、1984年に山梨身延山久遠寺大本堂の天上画「墨龍」を、1997年には京都天龍寺法堂の天井画「雲龍」を完成させました。本作「墨龍図」は加山独自の宝珠を持たない五本爪の龍が睨みをきかせています。龍の頭部と五本爪は明確な輪郭線で引かれ小品ながら緊張感と迫力のある作品となっています。
1927年 | 京都にうまれる |
1949年 | 東京美術大学日本画学科を卒業 |
1984年 | 久遠寺本堂の天井画と襖絵完成 |
1988年 | 東京藝術大学美術学部教授に就任(〜1995年) |
2003年 | 文化勲章受章 |
2004年 | 逝去(享年76歳) |