再び花ひらく

野崎慎

2017年制作
10F 紙本彩色

作家コメント

写生という行為は私の作品制作においてとても重要な工程のひとつになっています。
対象を目の前にじっくりと写生する事で、見ているだけでは感じられなかった深い美が小さなものの中にも内包されていることを実感できるからです。
この作品もこれから散ってゆく牡丹の花を写生している時に心の奥で感じた美しい生命の姿を絵にしたいと思い描きました。
速水御舟の言葉に「絵画こそは概念から生ずるものにあらずして、認識の深奥から情熱の燃えあがってはじめて造り得らるる」というものがありますが、私は写生という行為を通じて正にそのことを実感しました。この感覚はこれからも制作する時に大切にしていきたいです。