風に踊る

野崎慎

2019年制作
4F 紙本彩色

作家コメント

植物を観察していると、花が見事に開花したと思ったらすぐに雨が降ったり風が吹いたり、という場面によく出会います。
ある時、アネモネの花が風に吹かれて散っていく場面を見たことがこの作品を作るきっかけになりました。
風に煽られ、すぐに散ってしまう花には寂しさを覚えますが、私がこの作品で表現したい風は、淋しい気持ちを表すものではなく、「植物のその儚さ故により強く生を実感できる」という肯定的な感情をのせたものです。
風の流れのように植物が芽生え散ってゆく、その一連の生命の流れを温かく前向きなものとして描きたいという気持ちで制作しました。