財田翔悟

2023年制作
15S (65.2×65.2㎝) 綿布、ピグメント、岩絵の具 アクリル絵の具、箔、プラチナ泥/2023年

作家コメント

「未来」というものを考えると選択の連続で多くの扉が並んでいるようなものだと思います。
いつものようなあまり変化のないものを選んで進むのか、それとも今まで見たこともない何かを感じる扉を開けるのか、その選択で訪れる未来は大なり小なり変化があるもののはずです。ただ場合によっては今まで選んだことのないようなものを選んでもそれほど変わらないということもあるかもしれませんし、逆にいつも通りの扉を開いたつもりが想いもよらない状況に巡り合うかもしれません。
先のことは想像することは出来ても、大概その通りにはいかないし、未来の自分は不透明で霧がかかったような印象があります。
この作品が表すのは変化することへの肯定でも否定でもなく、未来の可能性の提示であってどの扉を開くかは自分の意志とタイミングであり、扉自体は無数に(色々な形で)存在しているということです。
人は扉を抜けた自分自身をはっきりと見ることや知ることは出来ません。少なくとも私にはそのような能力はありませんし、そんな能力があったらむしろ辛いでしょう。
わからないからこそ、なんとか扉を開けて前に進めるんだと思います。