皮膚のドローイング

阿部ふみ

2024年制作
21.5×27.3㎝ 紙、鉛筆、2024年

作家コメント

幼い頃から皮膚が弱かった

アトピー、手荒れ、あかぎれ、吹き出物、

小さな切り傷、

いつも皮膚がヒリヒリしていた

傷がぱっくりと口を開けて叫んでいるように見えた

ほんとうにヒリヒリしていたのは私の心だったか

何度も引っ掻きこわしたかさぶた、それでも何度もかさぶたは傷を覆い新しい皮膚をつくってくれた

ここに無数の線がある

何度も何度も紙を引っ掻くように線を引いては、消して、

消しゴムの痕も線になる

かさぶたを引っ掻いているようだ

線を引いて消して、線を書いて消して、幾度となく繰り返す

そこにあるのは、気の遠くなるほどの破壊と再生